はじめに
3月6日(日)、アマ名人戦地区予選が岩手県内の各地域で行われました。
私は盛岡地区予選に参加し、無事3連勝で県大会出場を決めました。(1局は不戦勝)

しかし2局とも危ない場面があり、岩手最強といえども予選は油断できないことを実感しました。
そして今回は、対局中に出現した死活を解説していきます。
『基本死活事典』にも掲載されているような形でしたので、持っている方はぜひ確認してみてください。

実践図(一部のみ・白番目線)

私の白番で、右上でこのような図ができました。
ここで右上隅の黒4子に手があるかどうかが今回のテーマです。
まずは1手進めてみましょう。
問題図

これは『基本死活事典』にも載っているような形ですが、微妙に条件が異なっています。
通常であれば次のような手順で無条件で取ることができます。
通常なら…

この手順で3目中手で取ることができると思いますが、ここで微妙に異なっている条件のせいで黒から手が生じています。
抜きが先手

黒11の抜きが右辺の黒への連絡を見て先手となっています。
白12と受けるしか無く、黒13までコウになってしまいます。
なので実践では少し手順を変えてみることにしました。
対局中のヨミ

なので対局中は単に白2とオク手を考えていました。
ハネるタイミングを変えることで無条件で取れるとのヨミでした。
変化図1

先程と違い、白12とツグことができたので黒を3目中手で取ることができています。
他の変化も見てみましょう。
変化図2〜5




このような変化図を対局中に考えていました。
どれで来ても無条件で取れると確信し、実践も手にしてきましたがきっちり仕留めることができました。
終局図

しかし大会が終わって盛岡駅に向かう道中、黒から手にする手段がひとつだけあることに気付きました。
それは変化図5の黒5手目で白6にハネる手です。
黒の唯一の抵抗

この手に対しては、どう打っても無条件で取ることができませんでした。
なので、実践で打たれていたら逆転されていたかもしれません。
ここからの変化図を見てみましょう。
抵抗図1〜5





このようにどんなに頑張っても白有利な一手ヨセコウが限界です。
下手すると無条件で生きられる変化もあります。
結果論で言えば、白は一番働いた手で黒を取り切ることができました。
実践の一手

この手は黒からのグズミを利かない形にしている意味があります。
黒1が利くと簡単に手にされます。
グズミ

まとめ
AIによると実践でアタリを打ったのは悪くないという評価でしたが、取り切れているという判断をしてしまったのは反省点となりました。
よく基本死活と言われていますが、全然基本ではないですよね笑
この対局自体は完勝だったので、自身を持って5月の県大会に臨もうと思います。