はじめに
今回は準決勝の対局を解説します。
2局連続で大石を仕留めたので、すでに気分上々でした笑
今回の相手は愛知県の大学生で、最近始まった鶯リーグの上位に参加している方です。
私の白番となりました。

第1譜 1〜48手目まで

対局は1回戦同様、早くも実利VS模様の一戦となりました。
右下黒25の単に一間トビに打つ手は珍しく、人によってはハメ手と呼ぶ方もいます。
AIは白32で黒43の地点に切って戦いに行く図を示していました。
参考図1−1

しかし私は右上にツケる手を打ってみたいと感じました。
この手は悪くはなかったようですが、白38・40と二段バネしたのはやりすぎでした。
解説の林漢傑プロも仰っていましたが、黒は白2子を取るのが良かったようです。
対局中はまだ利きが残っているから良いかと思っていました。
参考図1−2

白は二段バネではなく、一度ノビてからハネるのが良かったようです。
これなら白の有利な展開でした。
実践は先手で黒1子を取れて早くも白が打ちやすくなりました。
参考図1−3

第2譜 49〜78手目まで

黒49から上辺を荒らしに来ました。
白模様がだいぶ消えたように見えますが、左下でシチョウに抱えた時に黒から適当なシチョウアタリが無くなっているというメリットがあります。
しかし白58(黒59の右)のタイミングで、AIは驚きの地点を推奨していました。
ここで天元に打つ人間はキモすぎますね笑
参考図2−1

黒69のコスミは良いタイミングでした。
周りが白だらけなので、放置すると様々な手段が生じます。
白74と切ってから白76と押さえたのは切られる手をケアしました。
AIはどちらでも良いと言っていますが、人間的には実践の方が安全でしょう。
参考図2−2

第3譜 79〜116手目まで

白86のツケから白94まで、上辺と右辺の模様を広げて連結させに行きました。
黒97に対して白98と受けたのは、負けたら敗着となっていた手でした。
上の白の厚みを活かして、半分取りに行く気持ちで打たないといけませんでした。
参考図3−1

黒105の出に対しては受けずに右辺の模様を広げるほうが勝ったようです。
実践は白が厚くなって満足していました。
参考図3−2

第4譜 117〜144手目まで

黒117のシチョウアタリに対しては受け方に悩みました。
白118の上にノゾいて先手でシチョウアタリを防ぐ手も考えましたが、実践はワリコミの味を残しました。
参考図4−1

あとは中央から右辺にかけて白地がどのくらいまとまるかの勝負です。
白142のツギは両アタリを防いで自然な一手かと思いましたが、AIは黒139を取り込んで勝勢と言っていました。
実践の進行は中央が少し味悪だったので、言われてみれば納得という感じでした。

第5譜 145〜176手目まで

黒147に対しては白151と切る手があったようで、このあと出てくる筋と同じパターンで取ることができます。
黒149が決定的な敗着となりました。
相手は秒読み残り1秒で着手していたので、慌てて一路ズレてクリックミスしてしまったのかもしれません。
また動画の方では同じ場面を検討していました。

黒1と打っていれば白地が破られるという内容でしたが、この場合は私の方に切り返しの筋を用意していました。
参考図5−1

白6と黒3子を下からアタリにするのが用意の一手で、無傷で黒を取り切ることができます。
私のヨミがプロを上回った決定的な瞬間でした笑
投了の場面では盤面でも若干白が良いようです。
まとめ
この対局は中盤で白が勝勢となっていましたが、途中緩んだことで形勢不明となりました。
最後は相手のミスで決まってしまいましたが、勝ち切ることの難しさを実感しました。
次回は決勝の解説を行いますので、そちらも楽しみにしていてください。