はじめに
岩手王座決定戦を制したことで大将として出場することになり、ついに岩手に戻ってきた使命を果たす時が来ました。
昨年副将として出場した時とは比べ物にならないくらい、覚悟と決意を持っていたことを覚えています。
監督会議でのくじ引きにより、1回戦は宮城戦となりました。
奇しくもお互い大将と副将が入れ替わっていたので、前回とほとんど同じ対戦でした。
私は昨年ありえない勝ち方をしていたので、ある意味リベンジマッチとなりました笑
また帰りの新幹線切符が懸かった対局となったので、なんとしても勝たねばなりませんでした。(理由は伏せます)
第1譜 1~27手目まで
23▶️12の上

これまで大事な対局では3連星を使っていたので、本局でもやってみることにしました。
同じく先鋒戦でも3連星だったようです。
白12で参考図のように受けてくれば黒2と打ちます。
以前3連星を解説した記事でも紹介しているので、詳細はこちらをご覧ください。
白18では1つ這って来ると思っていたので意外でした。
黒23の切りから整形した形は黒が厚いので満足です。
参考図1-1

第2譜 28~71手目まで
53・59▶️26の下 56=62

白28のダイレクト三々から白32に対して、黒33と1つ外して受けました。
白38に手抜くのがポイントで、次の白からハネられた時の対応が大事です。
先手を取って黒39と迫り、左辺に黒地がつきました。
白50はコウが残っているため、そんなに焦らなくて大丈夫です。
白68は味消しで、打つなら参考図のように下がるところでした。
これならまだ黒への寄り付きが残っていましたが、実戦は完全に生きて満足です。
参考図2-1

第3譜 72~117手目まで

思惑通り白72のハネを打ってきたので、研究してきた黒77のアテを打ちました。
参考図のように両アタリにしてくるのが怖いところですが、その場合白76が無駄石となっているので黒のポン抜きの方が価値が高いです。
むしろ黒79とノビてしまうと、白に77と押されてしまうので良くないです。
黒85は逆に白に打たれると2子動き出しがあるので大事なところです。
黒95からのカラミ攻めは実戦は上手くいきましたが、手抜きされると大した狙いが無かったです。
黒117まで右辺の白がとても危なくなりました。
参考図3-1

第4譜 118~144手目まで
124▶️125の右

白は脱出できないと死んでしまうので、118から手を付けてきました。
黒121は少しやりすぎで、参考図のようにコウにしても十分でした。
無理矢理取りに行ったことで3子が取られてしまいやり損なった感がありましたが、白140が世紀の大悪手で一手パスでした。
左下の黒を先手で安全にして勝負を決めに行きます。
参考図4-1

第5譜 145~183手目まで
148▶️149の下 150▶️151の上 152▶️153の左 158・176▶️159の上 172▶️181の下 173=179

黒145から3子を助ける手があります。
白140は働いた手のようで、一路右に打たないといけませんでした。
白148からの切りは黒153のツケが良い手で取れています。
黒171が最後の決め手で、花見コウとなりました。
参考図のように、白は無条件で生きることができません。
白180は無コウで、コウを解消して白の大石を取って勝ちました。
参考図5-1

参考図5-2

まとめ
この碁は終始黒がペースを握って快勝することができ、無事岩手に戻れることが約束されました。
チームとしても一番キツいと思っていた副将が勝ち、3-0で好スタートを切れました。(先鋒は疑惑の勝利でしたが…)
何にせよ、監督としては初日での勝利を挙げることができてホッとしていました。
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