高校選抜練習対局

対局
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はじめに

明日から2日間、大阪商業大学にて高校選抜が開催されます。

第16回全国高等学校囲碁選抜大会|一般財団法人関西棋院

10年ほど前には私も出場し、岩手高校チームとして全国3位に入賞することができました。

岩手県勢で全国3位というのは直近10年以上では最高記録のようで、その時のメンバーに入れていたことは非常に幸運でした。

今回は高校選抜に出場するTくんとの練習対局を解説します。

私の黒番です。

第1譜 1〜29手目まで

白は右上と右下にダイレクト三々に入り、実利先行といった感じになりました。

黒17では白18の地点にカケる手も考えました。

右上の方は少し形が異なり、黒27・29と相手に手を渡して様子を見ました。

参考図1−1

第2譜 30〜72手目まで

白30と右辺に打ち込んできましたので、黒31(白56)〜黒35まで利かしを入れてから黒37とケイマで迫りました。

白42のキリでは、黒43の地点に打たれるのが嫌でした。

AIも同じ意見のようです。

参考図2−1

黒49では白50とツグ方が勝ったようです。

実践は白49と抜かれた際に右下黒3目のキリが残るので選びませんでしたが、気にしなくてよかったようです。

参考図2−2

黒69のツギでは白70にノビる方が正しいようです。

白69のキリに手抜きするという発想はまったくありませんでした。

この対局を見ていた去年の岩手3冠&東北六県大会大将の方とTくんは白良しだと思っていたようですが、私は黒良しだという判断をしていました。

AIも黒良しという判断をしており、武宮先生の本で大局観を学んだ効果が出ていたと感じました。

武宮正樹九段の棋書
武宮正樹先生の棋書を紹介しました。

参考図2−3

第3譜 73〜132手目まで

黒73とカケたのは実はAI最善手でした。

普通は一路上のトビでしょうが、左辺の模様を広げることができるため選択しました。

ここでも常識に囚われない武宮先生の考え方を学んだ効果が発揮されたと思います。

白82のツケから模様を消しに来ましたが、ここでも取りに行かないのがポイントです。

白にツライ手を打たせて得を図るだけで十分です。

上辺にポン抜きができて満足でしたが、黒121のハネはやりすぎでした。

ここでは単に黒123のマガリで十分でした。

中央の白1子をもぎ取れて手厚い形です。

参考図3−1

実践は白130と眼を作ってくれたので問題ありませんでしたが、黒131の地点にアタリしてくる手がありました。

黒121は半分取りに行ってしまった手となり反省です。

参考図3−2

第4譜 133〜207手目まで 以下略

黒135から右上をコウに仕掛けましたが、それならば黒133はコウ立てに使えばよかったと後悔しました。

黒143のオキは右辺白への寄り付きを狙った手ですが、少々強引でした。

白148のツギは甘く、黒149のアテに結局白154とツグことになると全体の眼が怪しくなります。

ここは最大の大場である左下に向かうところでした。

黒も右上を仕掛けずに左下に向かったほうが良かったのですが笑

参考図4−1

黒155のノビは敗着になりかねない一手でした。

白の眼が危ういので、ここは押さえるべきでした。

参考図4−2

白162が決定的な敗着となりました。

ハネられていたら形勢逆転してもおかしくありませんでした。

実践は内側から押さえてしまったために差が広がり、最終的に黒の15目半勝ちとなりました。

参考図4−3

まとめ

この対局は中盤の大事なところでミスが出て逆転されそうになったのは反省点となりましたが、序盤の右下のワカレを黒良しと判断できたのは成長を実感しました。

Tくんは個人戦・団体戦の両方に出場するので、ぜひ頑張って欲しいと思います。

また4月3日には岩手王座戦が開催されるので、対局する機会があれば全力でぶつかりたいと思います。

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