はじめに
9月12日(日)に岩手棋聖戦地区予選が一斉に開催されました。
私は先月の岩手竜星戦優勝により、招待選手として10月3日(日)の県大会に出場します。


今回は大学生のYくんが盛岡地区予選に出場するとのことだったので、余裕を持って予選突破できるように、花巻の万代囲碁倶楽部にて鍛えてあげることにしました。
彼は今年の岩手県大会でも優秀な成績を残し、代理ではありましたが東北六県大会に先鋒として出場しています。


ここから彼との対局の解説をしていきます。
念の為、彼には棋譜を載せる許可を頂いています笑
第1譜 1〜23手目まで

私の黒番となりました。
最近では黒でも白でも2連星を打つことにしています。
岩手竜星戦を優勝したときや、野狐9段になったときも同じことをしていました。
その後OGSで一時的に打ち方を変えてみましたが、まったく自分に合っていないことがわかりました笑

また最近は武宮先生の本に書かれていたことを参考にして打つようにしています。
武宮先生の棋譜を並べながら宇宙流(自然流)の考え方を学べるのでオススメの一冊です。
その影響からか自分からダイレクト三々に入ることが減ったような気がします笑

お互い四隅を打ち終わった後、黒は左上に低くカカリました。
白はツケて先手をとり、右下の三々に入ってきました。
次の白の着手はいろんな候補があって迷うところです。
第2譜 24〜42手目まで

白24と右上に下からカカってきました。
対して黒は右下の厚みを活かすために挟んでいきました。
ハサミの位置は複数箇所考えられるところです。
白26の両ガガリから最新型の定石に進行しました。
白36では押さえる手もあります。
白38と左下をシマリましたが、黒41の地点に押されるのが嫌でした。
逆に黒が曲がることができたので打ちやすくなったと感じました。
参考図2−1

また白42の消しは中途半端な位置でした。
右下のノゾキもあるので、どうせなら右辺に深く入って行きたかったです。
参考図2−2

第3譜 43〜84手目まで

黒43が急所への一撃。
白44とツケますが、黒45と内側に潜り込んで白を愚形にさせます。
黒51の切りはAI最善手。
これを打つことで白からのハネ出しを軽減し、右上黒からのハネの具合も変わっています。
局後に黒55と白56の交換をしてから黒43を打ったらどうだったかを検討しました。
この交換をしていると、黒49では白50の地点に押さえたときに黒51の切りから白を取ることができます。
参考図3−1

黒1と白2の交換があることで黒13で白4子をシチョウで取れることに対局中に気づきました。
しかし白12では黒13に出て右上の白3子を捨てられるとそこまで黒は戦果を挙げていないようです。
結果的に実践の進行で正解でした笑
黒53では上からボウシするか迷いましたが、右辺に入られると簡単に凌がれるみたいなので実践のように守るのが正しいようです。
黒61のノゾキもAI最善手。
右上への侵入を防ぎつつ、後々黒75と黒3子を助けるのに役立っています。
最終手白84の時点では黒勝勢のようです。
あとはここから局面を収束させるだけです。
参考図3−2

第4譜 85〜123手目まで

黒85ではどこに打つのか迷いました。
黒95の地点に1間トビを真っ先に考えましたが、黒79の一路左にツケられたときに黒が危なくなるのではないかと思い打ちませんでした。
しかし黒5の押しが利いているため、何も問題ありませんでした。
参考図4−1

実践は反発されて少し紛れてしまいました。
黒は潰されない限り勝つことができるため、安全に打ちすすめることが大事になっています。
黒103とハネたのもそのためです。
実際は白100の一路下に押しても問題ないようでしたが、局面が複雑化するのを避けました。
実践は黒2子が取られましたが、下辺に大きな黒地ができたので問題ありません。
黒123の押しを決めたことで左上の黒も安全になりました。
ここで白の投了となりましたが、黒は盤面で30目ほど良いみたいです。
参考図4−2

まとめ
Yくんとは今回の対局を含めて4度対戦していますが、すべて私が勝っています。
豊島竜王が藤井三冠に公式戦で初対局から6連勝しているように、私も年下には負けられないという気持ちがあるのかもしれません笑
この対局の後には今年の岩手県大会3冠で、東北六県大会大将の方にも指導していただきましたが、肝心の岩手棋聖戦地区予選は某親子に連敗して予選落ちしてしまったようです・ω・
また私の生徒は2人とも予選突破したようです。
2人は別地区の代表なので、もしかしたら県大会1回戦で生徒同士の対決があるかもしれません。
彼らは来年の高校選手権大会でぶつかることになっているので、そうなれば非常におもしろいですね笑