はじめに
岩手県で囲碁を教えるにあたり、最初に立てた目標が野狐9段でした。
野狐8段は2020年10月頃に囲碁インストラクターとして活動し始める直前になりましたが、思うように勝つことができず、7段に落ちたときにはショックのあまり横断歩道の真ん中で転んで大怪我をしました笑

変えたこと
2021年6月から地元の岩手県に戻りましたが、私の部屋の本棚にはまだほとんど読んだことのない棋書が置いてありました。
また野狐9段の囲碁YouTuberが手筋や詰碁を解くことの重要性を発信していたので、私も取り組んでみようと思いました。
すると自然と野狐8段戦で勝てるようになっていき、気付けばあと1勝すれば昇段というところまで来てしまいました。
野狐9段昇段戦
8月22日、初の野狐9段昇段をかけた対局が始まりました。
私の黒番で、持ち時間は5分+秒読み30秒3回です。
ここから対局の解説をしていきます。
第1譜 1〜43手目まで

黒白ともに2連星で始まったので、黒は予定通り三々に入りました。
白22のアタリに対して手を抜いて左下三々に入ったのは工夫した一手。
左上は抜きとカミ取りが見合いなので生きています。
白34のノゾキは疑問手のようで、白38の地点にスベる手を推奨していました。
参考図1−1

黒41では白30の下にツケる手を推奨していましたが、後々の狙いを消す意味があるので打ちませんでした。
この段階ではまだ互角のようです。
参考図1−2

第2譜 44〜108手目まで

白44のカタツキに対して黒45と押しましたが、ここで白46と三線をオサエには驚きました。
どうやらAI最善手のようですが、10年前であれば間違いなく怒られる一手でしょう笑
しかし白48では黒51の地点にオサエる手を推奨しており、切られても問題ないようです。
参考図2−1

白52とヒライた後、黒53とツケたのが狙いの一手。
調子で右上の黒を補強しようという魂胆です。
参考図2−2

実践は下からハネて反発してきましたが、右下の白4子が取れては黒満足のワカレです。
白68のツケには無視して右辺の白に迫る手が勝ったようです。
白74(S-16)では、右辺の黒2子を制しながら右上を攻めていけばよかったようです。
参考図2−3

黒79と取られそうな黒2子を助けつつ、両側の白を攻めることができて黒優勢です。
黒91とツケたのは自分らしい一手だと思います。
黒97でL-17のハネ出しと黒99の抜きが見合いになって優勢を意識しました。
黒105では白106の地点にケイマするのも考えましたが、逆に黒105の地点にノゾキを利かされるのを嫌いました。
AI的には大差ないようですが、人間的には参考図のほうが勝ちやすいかもしれません。
実践は盤面右側に大きな確定地ができたので、中央の白模様を削ることができれば勝利が見えてきます。
参考図2−4

第3譜 109〜159手目まで

黒109の押しから白模様を削りにいきました。
AIはさらに深く入り込んでいく手を推奨していましたが、そこまでしなくても優勢であることは計算できたのでこれで十分です。
黒は先手の連続で白地を削っていくと、思ったほど大きくないことがわかってきました。
黒159は黒の薄さを解消しつつ左上白の厚みを牽制した一手で、絶対に負けないよう慎重に打ち進めています。
参考図3−1

第4譜 160〜187手目まで

黒173(B-9)のホウリコミは手筋。黒が先手で得を図れるので覚えておきたい流れです。
参考図4−1

実践は反発してきたためコウになりました。
しかしこれは黒の花見コウなので気楽に応じることができます。
白184はコウダテとしては小さい。
中央黒4子が取られてもコウでは黒が得しています。
白186は中央の黒をまるごと取りに行った手ですが、黒187が成立しています。
白はどこも取ることができず、戦意喪失して時間切れとなり私の勝ちとなりました。
参考図4−2

まとめ
この対局に勝ったことで野狐9段になることができました。
念の為証拠画像を提示します笑

なかなか野狐9段になれなかった私が、手筋や詰碁の本を繰り返し解いただけであっさり昇段できたことは驚きでしかありません。
これを高校生のときまでにやっていればどれほど強くなったことか笑
皆さんも諦めずに手筋や詰碁に取り組むだけで必ず1つ上の段階に行けることを保証します。
私も野狐9段になったからといってこの取り組みをやめることはしません。
先日アマゾンで詰碁の本を購入したので、届くのを楽しみに待っています。

これで培ったヨミを武器に、岩手県5大会全制覇・東北六県大会優勝を目指していきます。