はじめに
前回予告したとおり、7月31日(日)に行われた岩手竜星戦決勝の解説を行っていきます。
決勝の相手は私の最初の師匠で、昨年と同じ顔合わせとなりました。
ちなみに記録係も昨年と同じ方でした笑
持ち時間は40分+秒読み20秒で、ニギリの結果私の白番となりました。
第1譜 1~29手目まで

黒9(10の右)のトビはシチョウが良い時に打たれる手ですが、右下が小目の位置にあるため成立しませんでした。
白16とカカエられた形は白良しです。
白18では大ゲイマあたりに構えるのが最善のようですが、実践はわかりやすい進行になるよう抜きを選択しました。
左下の定石進行は白がだいぶ良いようで、この時点で白80%となっています。
黒27では一度三々に入るのがわかりやすいです。
参考図1

第2譜 30~66手目まで

黒35と打ち込んだことで戦いが始まりました。
白44は2子を軽く見て47と48を見合いにした手でしたが、単に47と伸びる方が勝りました。
黒の切りを警戒しましたが、何事もなく戦えたようです。
白66まで難しい戦いかと思いましたが、すでに白90%のようです。
打っている時はまずまずくらいだと思っていたので意外でした。
参考図2

第3譜 67~100手目まで

白72と打てたことで上下の白が連絡でき、今後の見通しが立ちました。
白86では単に90と取るところでした。
上辺に黒から利きがあって封鎖されるのを嫌いましたが、問題なく白勝勢のようです。
黒89で90と取りに来る勝負手もあり、本局唯一の反省点でした。
参考図3

第4譜 101~137手目まで

黒101から動き出したのが決定的に悪くした瞬間でした。
下辺はまだスカスカで白地ではないため、荒らされても腹は立ちませんでした。
それよりも白110と来たことで左辺と中央の黒が一気に危なくなってしまいました。
黒は中央を受けましたが、左辺がコウになって右上が取られては勝負ありです。
ここでは黒1と左右を連絡して辛抱するくらいでした。
参考図4

第5譜 138~168手目まで

白138から最後の仕上げです。
白は生きている石がすべて繋がっているので、中央の黒をいじめる楽しみがあります。
天元の眼を潰されると生きが怪しいのが辛いところです。
その手はコウ材に取っておこうと考えていましたが、白158に手抜きしたため右辺の黒が取られたところで投了となりました。
参考図5

まとめ
本局はAIによると白の完勝譜だったようですが、打っている時は白100まで難しい戦いだと思っていました。
決勝という舞台でほとんどノーミスで打ちきれたことには成長を実感しました。
この勝利により県内公式戦では自身初の連覇となり、岩手3冠を維持することができました。
また、来年の東北六県大会に大将として出場するための第一歩を刻めたと思います。