はじめに
6月24・25日、秋田市の秋田キャッスルホテルにて東北六県大会が開催されました。
昨年の団体優勝から早くも1年が経過し、新たな戦いが幕を開けました。
そして今回私は大将として出場することになったので、岩手囲碁界を背負う思いで大会に臨みました。
1日目
表彰式で団体優勝カップと大将戦優勝カップの返還が行われた後、選手一同は対局会場に向かい組み合わせ発表を待っていました。
くじ引きの結果、岩手県の対戦順は写真の通りになりました。
1日目は2局・2日目は3局行われます。


1局目から宮城戦ということになり、いきなり私の帰りの新幹線切符が懸かった対局になりました。(理由は伏せます)
相手はこの日のために努力してきたので一筋縄ではいかないと思っていましたが、どうやら大会直前に体調を崩してしまったようです。
私自身も最後まで冷静に打てて、大石を仕留めて快勝しました。
やはり囲碁の神様は普段の行いを見ているのだなと感じました笑
チームとしてもストレート勝ちで、幸先の良いスタートを切る事ができました。
2局目は青森戦で、副将に強力な助っ人が入ったことで昨年とは比べ物にならないくらい戦力アップしていました。
私の相手も昨年の大将戦で優勝者に唯一勝利した方なので、まったく油断できない相手です。
序盤から難しい戦いが続き、中盤で相手が私の石を丸ごと取りに来たことでシノギ勝負になりました。
シノギ勝負の経験はほとんど無かったのであまり自信はありませんでしたが、冷静に対応できて何とか生還しました。
最後は相手が焦ったことで各所で得をして勝ち切ることができましたが、こういう勝負を何度も経験している井山本因坊のメンタルが異常に強いことを実感しました。
チームとしては副将は負けましたが、先鋒が勝ってくれたため初日2連勝で終えることができました。
2日目
3局目は福島戦で、監督には苦い思い出がある1戦となりました。
私は序盤の立ち上がりで不本意な展開となりましたが、そこから徐々に追い上げて得意のヨセ勝負に持ち込み最後は盤面でも勝ちました。
チームとしては先鋒が負けてしまいましたが、副将は大差をつけて勝ち監督のトラウマを払拭することができました。
4局目は秋田戦で、お互い3連勝同士だったので事実上の決勝戦になりました。
また大将戦もお互い3連勝かつ他の4人が2敗以上していたため、勝てば個人優勝が確定する大事な一戦になりました。
私自身も個人優勝が懸かっていることは意識していましたが、変に緊張したり固くなることなく冷静でいられました。
もしアマ名・アマ本の時の自分だったらミスを連発してひどい碁を打っていたと思います。
本局は今回の大会の中で一番の出来で、全国3位経験者に完勝することができました。
チームとしてもストレート勝ちで、特に先鋒戦は分が悪いと思っていたので勝ったことには驚きでした。
全勝同士の秋田戦に勝ったことで団体連覇がほぼ確定しましたが、ここから最終局でドラマが起きることになりました。
5局目は山形戦で、昨年負けているのでリベンジをしたいところでした。
ですが4局目でストレート勝ちしたことでチーム全員が浮き足立っており、余計な星勘定をしてしまいました。
最終局で岩手ストレート負けかつ秋田ストレート勝ちの場合のみ秋田が逆転優勝することは分かっていましたが、どこか他人事のように考えていました。
結果、私は序盤で構想ミスや読み抜けでひどい負け方をしてしまいました。
最後に負けて大将戦優勝という後味の悪いことになり、思わず山形県の大将に謝罪しました。
チームとしても一番勝ちが期待できる副将が逆転負けし、恐れていたストレート負けを喫しました。
その様子を見守っていた監督は顔面蒼白となり、あわや逆転優勝かと思いきや昨年に引き続き宮城県の副将が勝ったことで岩手県を救ってくれました。
最終的には岩手・秋田がともに4勝1敗でチーム内勝ち星合計も10で並んだため、直接対決で勝った岩手県が連覇を達成しました。




まとめ
平成6年~11年まで岩手県が6連覇するという黄金時代以来の団体連覇を達成しましたが、最後は冷や汗ものとなりました。
「勝って兜の緒を締めよ」ということわざ通り、最後まで気を抜いてはいけないことを実感しました。
また大将戦で私が優勝したことで、岩手県が初めて大将戦連覇を達成することができました。
自分自身の碁に対する姿勢を見つめ直したことで、不調から奇跡の大復活を遂げることができました。
今後も岩手を優勝させる為に戻ってきたHeroとして研鑽を積み、来年は個人団体ともに全勝での優勝を目指します。

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